Wednesday, January 22, 2014

『監獄の誕生』メモ-002

次に、権力を批判する知識人の役割が転換した。これまでの知識人の像は、マルクス主義者やサルトルに代表されるような「普遍的な知識人」であった。このタイプの知識人は、人間が世界で生きてゆくうえでの基本的な考え方(世界観)を提示することを自分の義務と考える。この知識人は「真理と正義の所有者」として発言するのであり、「普遍性を代表する人間」としてふるまう。

これに対しフーコーが提示した知識人の像は、「特定領域の知識人」として、自分の生活の場という具体性から発言する。ここでは知識人は普遍的な真理の場から語るのではなく、自分の利害関係のある問題について、自分の観点から、自分の専門の問題について語るのである。

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